コラム~第7回「評価通達6項に係る最高裁判決」
2022.6.27
コラム~評価のタネ~ 第7回
令和4年6月27日
テーマ「評価通達6項に係る最高裁判決」
最高裁の判決において採用された鑑定評価書は、国税局の鑑定評価書である。
裁判においては、納税者、裁判所では、鑑定評価が行われていなく、
何の議論もなく適正価格としてスルーされている。
その内容については、積算価格と収益価格とが試算されて、収益価格を重視され鑑定評価額が決定されている。
一棟のマンションであることから、収益価格を重視することは妥当と思われるが、
全体的に、相続開始前3年以内の取得であることから対象物件の購入価格と相続後売却された価格を重視されているように感じる。
果たして、その価格を前提に考えることは良いのであろうか。
今回の物件の購入価格、売却価格は、相続税の節税商品として、
相場よりも相当高く取引されているようであり、事情含みの価格とみられる。
鑑定評価書では規準価格よりも比準価格が50%増しで決定されていること、
家賃収入も一括賃貸であり、条件付きのものであるにもかかわらず、
その事情を吟味せずに実際の家賃収入等を是として評価することに違和感を持つ。