活動報告

コラム~第9回「鑑定評価と国税局」

2022.8.16

相続税の土地評価で鑑定評価により時価申告ができることとなっている。しかし、実務上は使用されていないことが多い。その理由としては、鑑定評価が否認された場合のリスク追加納税、過少申告加算税、延滞税が大きいからである。過少申告加算税は、増差税額の10%、延滞税は、増差税額の年8.8%となる。ただし、延滞税は、重加算税対象だとエンドレスとなり、それ以外は、申告期限から1年以内しかかからない。したがって、万が一、否認されたら増差税額の20%がかかると計算すれば、そのリスクがわかる。

基本は、当初申告が原則であろう。鑑定評価が必要な特殊な土地であれば、是認率は70%見込まれる。更正の請求による鑑定評価の是認率は30%以下であろう。したがって、当初申告での鑑定評価がお勧めである。鑑定評価がでると課税庁は大変嫌がる傾向にある。何故かというと、その鑑定評価の適否については、詳細にチェックする必要があり、否認するには所轄税務署だけではなく、上級庁である国税局との協議が必要である。また、時間がかかり、否認する事情説明が必要となるからである。


一覧へ戻る