コラム~第83回「令和8年税制改正による不動産の評価」
2026.1.22
令和8年不動産税制改正では、相続税の改正で、評価通達6項の関連で不動産評価の規制が図られた。
1.相続開始・贈与前の5年以内で有償により取得又は新築した一定の貸付用不動産については、通常の取引価額に相当する金額(原則、取得価額)で評価することとなった。
この評価においては、建物については、減価償却できることになっており、また、取得価額を基に評価額を算定する場合には、原則、取得時から課税時期までの地価変動の影響を加味するとともに、さらに、評価の安全性を考慮し、取得価額等に0.80を乗じることとなった。いわゆる、5年縛りがでてきた。なお、対象となる不動産は、貸付用の不動産に限定され、令和9年1月1日以後の相続等から適用となる。ただし、被相続人が5年前から所有している土地の上に家屋を新築、建築中の場合には、適用がない。
2.商品として小口化された貸付用不動産の評価(不動産特定共同事業による小口化商品及び金融商品取引法による不動産信託による小口化商品)については、取得時期に関わらず通常の取引価額に相当する価額により評価することとなった。令和9年1月1日以後の相続等から適用となる。この評価には、減価償却もできず、5年縛りはなく、80%の評価減もない。一種の金融商品の評価と見なされている。通常の取引価額には、①出資者の組合により、販売会社等から提示される処分、買取価格、②販売会社が把握している売買実例価格、③定期報告書等に記載された不動産の価格等を参酌される。いわゆる販売業者の査定価格が重視される。
このことにより、小口化商品の不動産評価は、取得価額により評価することとなり、その時価が重視されるので、より専門的となり不動産鑑定士の出番がでてきた。特に、2については、販売業者の査定書が価格の決め手となる。したがって、令和8年には、小口化商品の贈与、売買が活発となり、値下げが生じるかもしれない。
