活動報告

コラム~第82回「鑑定評価と税務評価」

2026.1.22

土地の評価をする場合、税務評価と鑑定評価の違いを知って置くべきである。

基本は、不動産鑑定評価基準における鑑定評価が時価と認められることとなっている。一方、税務評価は、相続税法における財産評価基本通達により評価することとなるが、その評価額は、時価とみなすこととなっており、必ずしも、鑑定評価の時価ではなく、公示価格の80%をもって路線価としたり画地補正率も一つの目安として定められており、相続税法の便宜的な価格、すなわち「みなし時価」である。同じく、固定資産税評価額も地方税で決められている時価であるが、公示価格の70%をもって路線価としていることから、相続税法の時価と同じく「みなし時価」となっている。

また、相続税法で利用されている相当な地代や無償返還届出における20%の借地権については、税法における独自の評価方法であり、借地借家法における通常の地代や一般的な借地権とは異なり、相続税法の土地評価における価格である。したがって、借地借家法上の認められる価格ではなく、税法上の時価概念であり、鑑定評価による時価とは異なることとなる。

加えて、財産評価基本通達では、土地の貸家建付地減価、建物の貸家については、借家権の減価が認められているが、鑑定評価における不動産鑑定評価基準では、その減価はない。

このように、鑑定評価と評価通達とでは、土地の時価概念が異なることに注意をした

い。税務申告で求められた「みなし時価」は、例えば、遺産分割における土地の時価とは異なるのである。遺産分割、遺留分侵害額、離婚の財産分与等では、財産評価基本通達の「みなし時価」は採用されないことに留意すべきである。


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