コラム~第75回「訳あり物件」
2025.9.26
稀に鑑定評価において、訳あり物件を評価することがある。
訳あり物件とは、一般的に以下のような物件と言われている。
- 法的瑕疵のある物件
都市計画法や建築基準法に違反している場合が該当する。いわゆる、路地状敷地に違法建築されている土地や調整区域において建物が建築できない土地に倉庫等の建物が建てられている土地がこれに該当する。この場合は、再建築不可の土地であり、現状では利用できるが、銀行融資が受けられないとか役所から是正措置が取られるケースもあり、50%前後の市場減価が考えられる。 - 環境的瑕疵のある物件
火葬場や墓地、工場などの近隣に嫌悪施設が存在し価格に影響する土地である。この場合は、その施設によりばらつきがあるが、10%から30%の市場減価が考えられる。 - 心理的瑕疵のある物件
過去に自殺、殺人、火災等の事件や事故が原因で心理的に住みにくいとされる物件がある。その事件や事故の程度で減価が変わるが、10%から50%程度減価される。
いずれにしても、訳あり物件として売買される場合には宅建業法で重要事項の説明義務があり、ネットでも訳あり物件として公表されていることもあり、なかなか売買することは難しいといわれている。
なお、相続税財産評価基本通達では、「利用価値が著しく低下している土地」として、上記のような土地については、10%の減価が認められている。