活動報告

コラム~第74回「定期借地権」

2025.9.25

定期借地権とは、平成4年(1992年)の借地借家法改正によって定められた比較的新しい権利で、更新がなく、契約期間が満了すると原則として土地は更地に戻して土地の所有者に返還される。一定期間経過すると地主に更地になった土地が戻ってくるため、普通借地権と比べて土地所有者が貸しやすいことが特徴となっており、現在では、定期借地権付マンションとか事業用定期借地権として主に利用されている。

定期借地権の種類としては、一般定期借地権(居住用)、事業用定期借地権、建物譲渡特約付定期借地権の3種類がり、建物譲渡特約付的借地権はあまり利用されていない。

定期借地権における評価については、相続税法の財産基本評価通達で評価の規定が定められているが、鑑定評価では、税務上の規定を準用することとなっており、権利金又は保証金を前提に借地人の経済的利益を勘案して有期還元で求められている。

稀に、権利金又は保証金を支払わず、通常の地代を支払う事業用定期借地権が見られる。この場合の定期借地権の評価はどうなるのであろうか。税務上は、定期借地権の評価はしない。ただし、借地借家法では、権利が守られていることから、何らかの経済的利益が生じていることとなる。これについては、権利金又は保証金を支払っていない経済的利益を収益還元法で評価することとなるであろう。

また、税務上の定期借地権については、借地権+底地<更地価格となり、普通借地権は、借地権+底地=更地価格となる考え方の例外とされている。


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