コラム~第51回「契約減価」
2024.10.2
鑑定評価においては、建付減価に似た契約減価という概念がある。
契約減価は、借地等により借地借家法で保護された建物があり、その建物について容積率等の十分な利用されない状況である場合において家賃地代の鑑定評価における基礎価格(土地価格)を求めるに当たり最有効使用の観点から契約減価として認識する減価である。例えば、容積率が商業地400%の地域で借地上の建物が容積率200%しか利用していない場合には、その土地価格について、200%の利用不可の契約減価をすることがある。
これは建付減価とは異なるが、借地権等を求めるに当たり鑑定評価上契約減価を考慮することとなる。
したがって、土地の利用を前提とする借地借家法の制限下による地代家賃を求める場合の鑑定評価において生じる減価である。
借地借家法の影響がない最有効使用にない状態における建付地の評価での取り壊し最有効使用を鑑定する場合の建付減価とは異なることに留意したい。
なお、この契約減価についても税務評価で認められないことに注意を要することを覚えておきたい。