活動報告

コラム~第50回「建付減価」

2024.9.19

鑑定評価では、対象土地上に建物がある場合、建付地として土地の評価を行うこととなる。その場合、建物が古い場合や商業地において木造建物がある場合においては、最有効使用の観点からその建物を取り壊して、その取り壊し費用を減価して土地を評価することがある。その土地評価については、通称「取り壊し最有効使用」を前提に評価する概念があり、その減価を「建付減価」という。

通常、容積率を十分に利用していないことから判断されるが、税務評価においては、その建付減価は認められない。裁決判決等があり、あくまでも税務評価は、土地と建物を分離して評価することが基本であり、土地の評価においては、建物の利用状況を無視することとなっている。

なかには、相続税の土地評価において、建付減価が認められた裁決判決があるが、その裁決判決では、取り壊し最有効使用ではなく、貸家建付地としての減価を「建付減価」と誤認して評価されている。

したがって、鑑定評価において古屋等があり「取り壊し最有効使用」として評価することは、税務評価で認められないことに注意を要することを覚えておきたい。

税務鑑定では、土地建物は、一体として評価をすることはなく、別個に区分して評価することとなっている。


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