活動報告

コラム~第43回「マンションの駐車場」

2024.6.10

税務上マンションに隣接する駐車場については、原則は、マンションの敷地は地目「宅地」となり、駐車場用地は「雑種地」となることから、地目が異なると別々に区分して評価することとなる。ただし、その駐車場は、そのマンションの居住者の専用駐車場であれば、一体として評価できることとなっている。

そうするとマンション居住者の駐車場以外に外部の人が使っていれば一体評価からはずれ、単独評価となるわけである。

よくあるのが、中低層マンション建築における建築確認書において、駐車場敷地も入れて開発行為を行い、建築後マンションの敷地の空地に駐車場をつくる場合も多い。

中低層のマンションの場合、一体として容積率を利用し建築して空地に外部の人も利用可能な駐車場をつくる場合、評価の原則では、マンション用地と駐車場用地に分けて評価することとなる。その場合、マンション敷地の容積率は、駐車場用地の容積率も利用していることから単独では容積率が超過した建物となり、違反建築となっている。さらに、駐車場用地については、マンション用地に容積率が使われていることから、駐車場用地として単独で利用する場合、公法上の建ぺい率、容積率が利用できなく、再建築不可な土地となるのである。

このような土地評価をする場合、税務評価では何ら手当がなく、マンション敷地と駐車場用地は、単独で建築可能な土地として評価することとなっていることから、不合理な評価を是認していることとなる。

税務評価と鑑定評価では、いろいろ異なる評価が見られることにあり、問題としなければならない。


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