コラム~第41回「貸家建付地の評価」
2024.5.7
相続における土地評価については、土地の上に貸家があれば、その土地の評価は、貸家建付地として、借地権割合×借家権割合(18%~21%程度)を控除できるとなっている。したがって、貸家の土地であれば、相当な減価ができることとなる。併せて、家屋については、貸家の評価は、貸家価格×0.70と30%の減価ができることとなっている。
また、土地の評価において貸家建付地については、小規模宅地の特例として、貸付用土地は、200㎡まで50%減価ができることとなる。
そうすると、貸家建付地については、
時価×0.80=路線価、路線価×借地権割合70%地区で0.21の減価、小規模宅地の評価減0.50となり、時価100とすると、100×0.80×0.79(1-0.21)×0.50=31.6と相続税の土地評価は、31.6%と大幅な減価ができる制度となっている。
これでは、富裕者層の不動産投資は、商業地の土地を買えば、時価の3分の1となる節税効果があり、商業地の隠れたニーズがあることになる。
しかし、鑑定評価の時価では、貸家建付地の減価、小規模宅地の減価はないこととなっており、総則6項の時価は相当高くなることとなり、注意をしたいものである。さらに、令和4年の最高裁判決により、不動産の時価課税が強化されることとなっており、鑑定評価の時価も留意したいものである。