活動報告

コラム~第37回「相当地代と無償返還届出の評価」

2024.3.15

最近、同族会社から相当地代を受領している土地の評価をすることになった。依頼目的は、相続の遺留分侵害額を算定するための時価評価である。

その土地は、その土地上に同族会社の建物があり、土地の賃貸借関係は、権利金の授受がなく、無償返還届出の提出がなく、土地の更地価格の6%の相当地代を支払っているものである。

相続税評価については、個別通達があるように、無償返還の届出がなく、相当地代を支払っている場合は、20%の借地権を同族法人が持っているものとして、その土地の評価は貸宅地として、更地価格の80%で評価しても良いこととなっている。

相続税法では、そのような評価で問題がないと思うが、通常の土地の時価として考える場合は、そのような価格でいいのであろうか。

まず、土地の賃貸借契約があるということは、借地借家法が適用され、通常の借地権が存在する。したがって、相続税法の20%借地権は認められない。また、相当地代については、通常地代と大きな乖離があり、借地借家法上、賃借人に不利な条項となる可能性があり借地借家法上違法となる可能性がある。また、相当地代については、高額となることから、縁故関係者の特別な地代と認定され、通常第三者間の取引間では通用しないという東京高裁の判決もある。

したがって、土地の評価においては、税務評価と適正な時価としての鑑定評価とは考え方が異なることに注意を要する。税務評価については、相続税法の世界のみ通用する価格であることに留意すべきであろう。


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