活動報告

コラム~第27回「高低差とお墓の減価」

2023.3.20

市街地宅地の評価において、高低差、騒音、忌み施設等の利用価値の著しく低下している宅地については、タックスアンサーの財産評価に10%の減価ができるようになっている。しかし、その判定においては、具体的な基準がなく、実務上悩むところである。さらに、2以上の減価要因がみられる場合についての規定がされていない。最近、税務調査があり、高低差とお墓に隣接している土地の評価において、2以上の減価要因を認めるかどうかの協議となった。税務署の担当官においては、2以上の減価は認められないとの指摘であった。しかし、裁決事例(平成13年6月5日)では、騒音と墓地の二重減価が認められていること、昭和56年の旧東京通達では、20%までの減価が認められていることから、二重減価を主張した。結果的には別の非違事項もあり修正申告により認められた。実務的には、難しい案件であり、また、路線価に反映していれば減価は認められないこととなっている。しかし、以前路線価評価の精通者をしていたが、原則、路線価評価において高低差等の減価はしていないのが現状である。路線価に反映しているかどうかは、路線価評価している税務署側が立証することであり、納税者としては、その立証の確認をすべきである。


一覧へ戻る