コラム~第19回「購入価格の土地建物区分」
2022.12.21
実務的に消費税における不動産の購入価格を土地建物区分する必要があるが、最近、東京地裁(令和4年6月7日)において、消費税の購入価格における土地建物区分の珍しい判決が出た。基本は、固定資産税評価額で区分する方法が税務的に安全な方法である。しかし、その固定資産税評価額が否認され、鑑定評価額により区分する方法が妥当であるとの判断が出ている。そもそも固定資産税評価額、特に、建物の固定資産税評価額は、購入価額の40%程度である。私の顧問先では、渋谷区で商業建物を建築したケースでは、購入価額の30%の固定資産税評価額となった。その価額で土地建物を案分することは、税務署よりで著しく問題がある。今回の裁判においては、納税者側が裁判所に鑑定依頼をし、裁判所の鑑定評価が採用されている。このように、納税者側からの鑑定評価は、恣意的であり裁判では、なかなか採用されない。この逆手の方法として、裁判所に鑑定評価を依頼して適正価格を決めてもらう方法が斬新な面白い手法である。今回は、固定資産税評価額は土地55建物45であったが、鑑定評価では、土地77、建物23であった。