活動報告

コラム~第68回「位置指定道路」

2025.8.1

道路には、国や自治体などの公的機関が土地を所有して維持管理する「公道」と、個人や法人が土地を所有して所有者が維持管理する「私道」がある。位置指定道路は、特定行政庁(都道府県知事や市町村長など)から「土地のこの部分が道路である(道路位置指定)」という指定を受けた私道である。基本は、開発面積が東京都等では500㎡未満の区域における私道となる。開発面積が500㎡以上であれば開発行為となり幅員は、4.5m~6.0mの道路を造らなければならないので、500㎡未満が重要となる。

位置指定道路については、各市区町村の道路管理課において、許可した位置指定道路図面があり、そこで確認することができる。古いものでは、周辺の土地利用者が勝手に花壇とか独占的に駐車場として利用しているケースもあり、現況が2項道路と間違えることもあるので、調査を行い、確認する必要がある。

似たような道路に「公衆用道路」という言葉がある。公衆用道路とは、隅切り(すみきり)など私道であっても一般公衆のために利用されている道路などを指すので、各自治体に申請して「公衆用道路」と認められれば固定資産税・都市計画税・不動産取得税が非課税になる。公衆用道路かどうかは、私道の登記簿謄本の地目が「公衆用道路」となっているので、そこで判断できる。それ以外の私道は、位置指定道路も含め地目は「宅地」となるケースが一般的となっているので注意をしたい。

したがって、登記簿地目又は課税地目が公衆用道路となっていてもセットバックの私道か2項道路の私道か位置指定道路の私道かを確認して評価を行なうこととなる。

鑑定評価では、それらの私道は、所有権があるものの建物建築ができず市場かちは0と扱うが、相続税評価では、0評価はできず、宅地の30%の評価となることに注意を要する。


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