活動報告

コラム~第57回「相続税、所得税の借地権」

2024.12.23

コラム第57回

テーマ:「相続税・所得税の借地権」

相続税法においては、財産評価基本通達により、「相当の地代」を収受している土地や「無償返還の届出」が提出され通常の地代を収受している土地の評価についての規定がある。

これらの規定は、借地借家法等の規定を適用するのではなく、法人税法、相続税法上の課税目的として課税の公平性等を前提に借地借家法を準用して税務上独自の評価が設けられている。

それらの借地権の評価については、税務評価では認められるが、鑑定評価では認められない税法の独自評価となっていることに留意をしたい。

  • 相続税法の借地権評価

相続税法の借地権の考え方は、借地借家法の借地権と同じ考え方に立っている。したがって、相続税法においては、基本は土地賃貸借がされている土地については借地権の評価の規定があり、路線価等の借地権割合が適用して借地権を評価することとなる。

しかし、財産評価基本通達の個別通達「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」により、「相当の地代」「無償返還の届出」の土地賃貸借の土地の評価については、税法独自の20%の借地権が認められる規定がある。

この借地権は税務評価で認められるが借地借家法を前提とする鑑定評価では認められない恩恵的な税務の個別借地権となる。

また、そのような土地を売却する場合については、所得税、法人税では借地権が認められないことも留意したい。

  • 所得税法の借地権評価

所得税法上の借地権は、基本は、法人税法と同様に、借地借家法で規定するとなっている。また、所得税法では、法人税法又は相続税法の借地権に対する独自評価による特別な規定はない。


一覧へ戻る