活動報告

コラム~第25回「分有地の評価」

2023.3.7

実務上、複数の地権者が協力して分有上に区分所有建物を建築する場合がある。借地権付建物の分譲事例とか駅前再開発における地権者の地主と開発業者との分有上の商業施設とで見られるケースである。このケースにおいては、借地借家法の借地権の問題が生じる。基本的な考え方は、底地は、各地権者が保有し、土地賃貸借契約が締結され借地権は準共有となる。底地と借地権の地代の関係は、地代の支払いがあるが各地権者との相殺とすることが多い。鑑定評価では、底地と借地権との権利前提に区分しての評価となる。税法上は、評価通達があり、土地評価は全体評価し、面積比か価格比により案分計算し、底地、借地権は考慮しないこととなっていることに注意を要する。このようなケースになるのは、地主側において土地の所有権を手放したくないことや建物がなくなった時に土地が元の状態に戻ることができる安心感を期待して分有にするようである。しかし、借地権付分譲マンションのようにその借地権を譲渡する場合の譲渡承諾料とか借地権を所有権に変換する場合相当な費用がかかることに留意したい。


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